ロゴマークをデザインする時に、ロゴタイプいわゆるフォントは無くてならないものです。
ロゴによっては、“SONY”や“Panasonic”のようにシンボルマークが無くてもロゴタイプだけで会社のロゴになっているものも多数存在します。
一般的にロゴマークとはシンボルマークとロゴタイプが組み合わさったものを指しています。ロゴマークは和製英語です。
例えば、あなたの会社の理念が込められたシンボルマークがカッコ良く出来上がったとしましょう。
そこに見た目は良くても会社の理念とは反するロゴタイプが使われていたら、
ロゴマークの仕上がりは台無しになります。
ロゴマークの出来栄えを決めるのがロゴタイプです。
ロゴマークは永く使う(業態が変わらなければ、10年くらいは使用します)ものなので、流行に左右されてはいけませんし、視認性が大切です。
私の場合はロゴタイプにほんの少しだけトレンドを取り入れます。
これから私の好きな欧文フォントをご紹介します。シンボルマークと相性が良く組み合わさった時に更に良くなるフォントをセレクトしています。よく使うフォントと考えてください。
この中には商標登録が出来ないフォンもあります。商標登録って複雑なんです。著作権とも違うし。※ロゴマークを商標登録する予定がある場合は事前にお知らせください。因みにロゴマークとして安心して商標登録するには、Adobe社のフォントが最適です。
1.Helvetica(ヘルベチカ)
ラテン語で「スイス」の意味です。スイスのフォントデザイナーにより1957年に生まれました。50年代に誕生したにも関わらず古さを全く感じさせないフォルムは美しいです。字間を詰め気味に使うと緊張感が出てグッドです。Panasonic(パナソニック)のロゴはヘルベチカですね。ご覧のように、このフォントは会社のロゴタイプとして世界で一番使用されているかも知れません。ゴシック体の代表的なフォントでこれを知らいないデザイナーはいないと思います。
2.Trade Gothic(トレードゴシック)
まず見て気づくのは文字の幅が狭いこと。スペースが限られている場所に長い見出しをレイアウトする時に向いてます。デザイナーは文字の幅を変えて使用しません。それはフォントのプロポーションがわるくなるからです。フォントのファミリーも比較的多いので、このフォントだけで紙面をレイアウトしても綺麗にまとまります。文字幅が狭いのに骨格がかっちりしているし、バランスも良いので好きなフォントのひとつです。
YouTubeのロゴは、Trade Gothic Condensed(文字幅が狭い文字)がベースになっています。
3.COPPERPLATE GOTHIC(カッパープレートゴシック)
1901年に誕生したフォントです。Cを見ていただく分かるのですが、蹄鉄のような形ですね。ゴシック体でもセリフ(文字の端の出っぱり)がある珍しいフォンです。このフォントを見て何かを思い出さないですか?
クール・ビズ、ウォーム・ビズはこのフォントを使用しています。文字間をあけると風通しが良い感じです。見出し向きなフォントで小文字が存在しないので、本文には不向きです。
時計好きにはたまらないブライトニングのロゴにも使用されていました。と言うのも、残念なことに2018年に下のようなあっさりとした新ロゴになっています。個人的には旧ロゴの方が風格があって好きでした。このフォントは、海外では法律事務所、銀行、レストランなどのドアのガラスなどによく見られます。金融、士業やレストラン関連の方におすすめします。
4.Gotham(ゴッサム)
雑誌のGQから依頼されたフォントデザイナーがニューヨークの街を歩き回り、戦後の建物に描かれた手書きの幾何学的なレタリング文字から着想を得てこのフォントを作ったそうです。ゴッサムは米ニューヨーク市のニックネーム。因みにバットマンのゴッサムシティーは昔のニューヨークをイメージしてるとか。比較的新しいフォントになります。力強く重厚且つ信頼感があるフォントなので、そのようなイメージの会社のロゴタイプやWebサイトに使用すると効果抜群です。このフォントが好きなデザイナーは多いと思います。玄人受けしすると思います。ロゴだくのロゴタイプはGothamをベースにしています。フォントのファミリーも多く、見出しから本文まで使用できます。このフォントを会社のロゴタイプとして採用しているものは今の所見当たらず。
5.Optima(オプティマ)
1950年にイタリアで登場したフォント。サンタ・クローチェでみかけた碑文にインスパイアを受けて制作したものです。このフォントはゴシック体と明朝体の両方の特長を持っていますが、どちらかというとゴシック体に分類されます。エレガントで美しい印象なので、アパレル、美容、化粧品を取り扱う会社のロゴに向いています。
GODIVA(ゴディバ)皆さんご存知の高級チョコレートブランドで有名な会社。よく見ると、こちらはオプティマをベースにロゴタイプを制作してるかな??
ASTON MARTIN(アストンマーチン)007にも登場するイギリスの高級乗用車メーカーです。気品がありますね。
身近なところでは駅ビルのLUMINE(ルミネ)にも使用されています。こちらはレギュラーよりウェイトが太いミディアムを使用してます。
6.TRAJAN(トレイジャンorトレイジャン)
2000年前のローマに遺跡に残された文字が原型です。古代人は素晴らしいセンスの持ち主だったんですね。高級感たっぷりのフォントです。古いフォントの特長のひとつに、小文字が無いということです。先ほどは、5番目に紹介した Optimaが「GODIVA」のロゴの原型になったと説明したのですが、TRAJANをベースにしたという説もあります。比較画像をご覧ください。想像ですが「GODIVA」のロゴタイプに関しては、どちらのフォントをベースにしたのか判断が付きませんね。
7.Didot(ディド)
このフォントについては、まずは使われているロゴタイプを紹介した方がよさそうです。文字間は詰めて組んだ方が全体に緊張感が増し、高級感も出ます。「ZARA」のロゴはフォント同士が重なっていますが、ここまで文字間を詰めたロゴタイプは初めて見ました。一新した「ZARA」のロゴは画期的というか賛否両論あるみたいですね。読めますけど…。アパレル系のブランドに大人気なフォントです。「GIORGIO ARMANI」「VOGUE」「ZARA」とも細い線の部分や全体のプロポーションは調整してあると思います。
8.Baskerville(バスカヴィルorバスカービル)
18世紀後半に制作した活字が原型になっていて、オールド・ローマン(明朝体)からモダン・ローマン(明朝体)へと橋渡しした過渡期のフォントです。古典的で気品があり見出しから本文まで組むことができるので、伝統を受け継ぐ職業のロゴタイプにおすすめできるフォントで、Tiffany & Co. のロゴタイプのベースになっています。その他にも欧文の書籍、CDジャケットなど幅広く使用されています。フォント名はジョン・バスカヴィル氏の名前が由来となっています。ご自分の名前をフォント名にすることは珍しくはないことです。
9.Garamond(ガラモン)
Baskervilleに比べると全体のフ骨格がしっかりしているのが分かります。こちらもクラシカルなフォントで人の名前(フランスのクロード・ガラモン)が由来となっています。実は読み方は今の今ままで「ガラモンド」だと思い込んでいました。このフォントは様々な会社から同じ名前のフォントが発売されています。デザインをする人でAdobeのアプリを使っているなら、Adobe Garamond Pro を使えば美しい紙面レイアウトが出来ます。私自身が不動産系のカタログをデザインしているときに、表紙のタイトルに使用すると高級感が出で良いデザインになったことを思い出しました。GaramondとBaskervilleはよく似た特性を持つフォントで甲乙つけがたいですね。
Appleのスローガン“Think differnt”に使用されていました。30代以上の方なら存知でしょうか。
Googleにはロゴとして2013年まで。マニアックなところで、このロゴは14,000バイトもあったのに、現在のロゴはたった305バイトと軽くてシンプルになりました。
10.Times New Roman(タイムズニューローマン)
Garamond、Baskervilleと何が違うの?デザイナーが見ると全然違うんです。DTP創世記、それより以前から馴染みのありる欧文フォントです。ボールド、イタリックなど多くのフォントファミリーを持ち、紙面レイアウトにはなくてはならないフォンです。とりあえずこのフォントでロゴタイプを組んでから、どうデザインをするか考えるフォントのひとつです。明朝体(セリフ体)の代表格と言っても過言ではありません。
HSBCホールディングスのロゴのベースになっています。
INGグループこちらも銀行系ですね。太いフォント(Bold)を使用しています。無難ではありますが、永く使えば使うほど馴染むロゴタイプです。
今回は私の好きな欧文フォントで、前半はゴシック体(サンセリフ体)、後半は明朝体(セリフ体)を紹介しました。
フォントのTPO (ティーピーオー)を知っているだけで適切なセレクトが出来て、ロゴマークの出来栄えを左右することになります。
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